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しかし仲間の多くが次々に死んでいくのに気づいてから、彼は一大決心をした。
もっと長く、もっと元気で生きていたいと思った。
そこでプルで泳ぎ始め、フィットネス・クラブに通ってトレーナーをつけ、ウエイトトレーニングやエクササイズを始めた。
熱心に取り組み、楽しんだ。
ダイエットはしなかったが、着実に体重は落ち、二年ほどで大学生時代の体重に戻った。
まだ余力があったのでテコンドを始め、八二歳で黒帯を取った。
八六歳で二段になった。
九一歳でこの世を去ったが、その直前まで大学時代の体重を維持していた。
毎日赤ワインを一本開けるのも変わらな誰もが彼のようになれる、とは言うまい。
過剰な期待は禁物だが、そういう生き方・死に方をする可能性は誰にもある。
私だって、それなりにやっている。
あと二O年はこのままで行けるまだ七Oだが、自信もある。
美意識の高い女性に、できぬはずはない。
自己イメージを思い描け00歳の私はこうあるべし。
そんなイメージをしっかり描いておこう。
それを実現するという目標を掲げて、週に六日の運動をする。
これが大事だ。
もちろん目標は高く。
若いころの自分の体形を思い出そう。
そうすれば、余分な賛肉は落としたくなる。
フアストアードの元祖アメリカの人には想像を絶することだろうが、世の中には「太った老人」という概念が存在しない国もある。
遺伝子や食べ物、経済水準の問題ではなく、風土が違うから「太った老人」がいない因。
かつての日本はそうだつたし、フランスもそうだ。
ああいう国の人にならって、私たちも肥満をタブとすればいい。
さっそうと自転車にまたがり、丘を駆け抜け、ボートをこぐ七O歳。
賛肉がだぶついていたら、そんなことはできない。
理屈じゃないが、まずは意欲、やる気の問題だ。
やる気に、想像力をかけ合わせる。
そこに日々の運動を加えれば、七O歳のあなたは六O歳のあなたより若くなっているかもしれない。
なことではない。
なかなか運動だけで体重が減るものではない。
余分な脂肪を運動で燃やすのは容易オリンピック級の長距離選手は平気で一日四000ー六000カロリーを燃やしていそうは言っても、るが、そのために毎日五、六時間は必死で運動している。
私たちができるのは、せいぜいに週に六日の、一日一時間かそこらの運動でしかない。
だから、そう簡単に賛肉を落とすところまでは行かない。
それでも、いずれは脂肪が減って筋肉が増えてくる。
これが結果として減量につながる。
筋肉を維持するたそのためには脂肪を燃やすことになる。
人は、何もしないで座っているだけでも一日のカロリー必要量の六O%を消費するという。
ドクタめにはエンジン(ミトコンドリア)をフル回転させねばならず、ー・ハリーによれば、激しい運動をすれば基礎代謝は五O%も上がるらしい。
もうひとつ運動が有効なのは、自己イメージをふくらませる役に立つことだ。
クラブの中を見回してほしい。
太った人も見受けられるだろう。
あなた自身が太っていたら、厳しいエクササイズをやらなければならないだろう。
私がそうだつた。
まあ、仕方ない。
言っておくが、若くなることが目標だついでにスリムに。
来年といわず、その後もずっと。
根本的に今までと違ったライフスタイルをしようとすれば、慣れるまでにしばらくかかる。
それでいい。
これから長生きするのだから。
がんばって運動して、人生に興味を持つこと。
そうすれば自然にやせてくるのだ。
きちんと食べて一年ごとに「痩せる人」いわゆる「ダイエット」について、医者として言えることはただ一つ。
「二度とダイエットなどするな」である。
体重を減らす唯一の方法は、しっかりした運動を定期的に続け、現代社会にあふれる最悪の食品に手を出さず、何であれ食べる量を減らすことだ。
残念ながらこれが真実。
だから、もうダイエットの話はしない。
この章でするのは食事の話だ。
そしてクリスが前の章で書いたとおり、大原則は「クズを食らうな」である。
なぜか。
やはり、ここでもダウィンの進化論に立ち戻って説明しよう。
私たちの身体は気の遠くなるような年月をかけて進化してきた。
その聞に、この身体は食物に対してどのように反応してきたか。
それを説明すれば、なぜ人が「飢餓モード」に入ると太るのかを理解してもらえるはずだ。
そして味が濃くて細胞に炎症を起こさせるファストアードを避けるべき理由もわかってもらえるだろう。
まず最も基本的な事実から。
私たちの身体は「過剰」というものを知らない。
だから、必要以上の食べ物があふれでいる状況にどう対応したらいいかわからない。
私たちの身体は、食物の過剰や「なにもしないで食物が手に入る状況」に慣れていない。
だからそんな状況を迎えると、「もしかすると飢餓が迫っている合図か」と誤解してしまう。
自然界では、食物(カロリー)は非常に貴重なものだった。
だから私たちの祖先は、食物供給量の変動に備える確かな方法を編み出した。
昔も今も、私たちの体脂肪は季節によって微妙に変化している。
冬や乾季、(鳥たちの場合なら)渡りの季節など、毎年のように決まって飢餓状態に追い込まれる時期があったからだ。
そういう時期が近づくと、私たちの身体は脂肪を蓄え、消費エネルギーをできるだけ減らすようにする。
このシステムは地球上のすべての生物に、そして私たち人間の身体にもしっかり組み込まれている。
食べ物が余分にあれば、どんな動物もガツガツ食べてたっぷり脂肪を貯めこむもの自分の経験から、私たちはそう考えがちだ。
しかし、それは違う。
動物は必要に応じて、もっと微妙に脂肪を貯めたり落としたりしている。
たとえば若いシカは秋深くなると成長を止め、来るべき冬にそなえてせっせと脂肪を蓄積しはじめる。
そして冬が過ぎ、春が来ると再び成長モードに入り、摂取したカロリーで骨や筋肉を増やしはじめる。
こうなると、いくら食べても脂肪は蓄積しない。
夏を北大西洋で過ごすザトウクジラは、豊富なエサを体脂肪として蓄積し、これを燃料として使ってはるか遠く赤道近くまで泳いでそこで子づくりに励む。
蓄えた脂肪をすべて燃やして、半年間は何も食わずに泳ぎ切るのだ。
夏わずか一週間たらずで体脂肪を二倍に増やし、アフリカ大陸までノンストップで飛んで行く。
そこで迎える春は、オスにとっては筋肉と骨を増やす季節から秋を北米大陸の大西洋岸で過ごす渡り鳥は、オスであれば筋肉や骨や臆にどんどん新しい細胞を増やしていく。
こうして狩く。
脂肪は蓄積されず、りの能力を高め、メスをめぐる争奪戦に勝つ力を蓄えるのだ。
一方のメスは、余分のエネルギーをことごとく妊娠の準備につぎこむ。
そのためにいくらか脂肪を蓄えるが、これは肥満とは違う。
動物が自然に肥満するのは、春ではなく、冬に向かう時期だ。
冬が過ぎ、蓄えた脂肪を使い果たした頃の春になると、ほとんどの動物は余分なカロリーを成長に振り向けて、もっぱら筋肉と骨をつくっていで、今度は筋肉質で強靭な身体をつくる。
春は獲物が多いから、狩りには最適な季節。
必要なのは、賛肉ではなく筋肉だ。
もちろん、動物たちには筋肉よりも賛肉が欲しい時期もある。
飢餓の季節を迎えるころだ。
クマは冬眠に入り、シカは寒さを防ぐために脂肪をつける。
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